読書以外感想文 すずめの戸締り : 正直、ハードルを上げ過ぎた。

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 はい、こんにちは。今日は先日ついに金曜ロードショーでやってくれたこちらの作品。なぜか新海誠作品は都市伝説界隈で盛り上がるのですが、こちらも類にもれず騒がれていました。そういう意味で観たかったよー。期待していました。

 だって、この監督の作品って僕的には中二病をこじらせてもじもじしてる男の子がいましたとさ、で完結しちゃうんだもん。さっさと「好きだ!」って言え!男だろ!と問題発言を踏まえつつ、そんな感じだったんです。

 ところが『君の名は』以降、都市伝説をにぎわすことになる。お金も絡んでるからでしょうか。そういえば、作画はかなり受けが良くなりましたよね。以前からきれいではありましたが、力が入っている。あれ?そういえば今作はそれほどでも・・・とにかく行きましょう。

『すずめ』という美少女もあり。

 主人公のすずめさんは女子高生。新海作品なのでもちろん美少女です。ポニーテールが似合ってます。で、元気な女の子もかなりポイント高い。しかし、ライバル(?)もこれまたイケメン大学生。ああ、そうでしょうそうでしょう。美男美女カップルのお話です。美男の方は長い事椅子になってましたが。

 すずめ、っていう名前もかわいいですね。♪ちゅんちゅんちゅんちゅんちゅーん。元気でよろしい。しおらしい女の子も良いですが、女子高生はキャッキャするくらいでもいいですよね、って、何言ってんだか。ちなみにこの頃の男子は部活に打ち込むか、趣味に打ち込むか、あほか、です。どうです?いいでしょう。とにかく『つばめ』じゃなくて良かったと思いつつなぜやっぱり鳥なんだ?とは思いました。

『ミミズ』?

 要石なんだからナマズのままでも良いと思うし、これ、本当は龍脈がどうこうって持っていきたかったんじゃないの?と思わせぶりなミミズ。でも正直、もののけ姫のドロドロ化したシシ神様でしたね。なぜミミズなんだ?ミズチとか?

 とりあえずこれを押さえないと地震が起きる、というのは要石の登場時点でわかりきっているところなので、ミミズが~というよりは要石が動物化する方が興味深かったです。

 余談ですが、本当の要石って、あんな小さくないって知ってました?昔、鹿島神宮の要石ですがあの水戸黄門が掘り起こさせてみようとしたことがあったらしいです。でも大きすぎて諦めたとか。今でも見ることはできますが、その部分は小さいです。埋まっている部分がかなり大きいらしいという。

震災をかなり描写した、との話でしたが。

 震災後を、の間違いでしょう。震災そのものはテレビには出てきませんでしたね。ノーカットなら出てるのかしら?もっとも、・・・いや、まだやめておこう。

 今作で震災を~と褒めている皆さんは多分何か勘違いされている。テレビ版だけでの判断になりますが、震災そのものは描いていません。高い建造物に乗り上げてしまった船は確かに象徴的でしたが、はやし立てるものでもない。壁を作った原発?のあたりでのやりとりの方がリアルと言えばリアルでしょう。

 とにかく震災の描写については僕はうーん、って感じでした。『オーバーテイク』という、F4という自動車レースのアニメがあるんですが、そちらの方がよっぽどリアルですよ。興味のある方は是非。珍しくリンク貼っておきます。

何が良かったのか。

 正直分かりません。少女が壁を乗り越え一つ成長する話。それに尽きるのではないでしょうか。名作と称されているのは作画によるところが大きい気がします。画は確かにきれいでしたからね。RADWINPSとのコラボもすっかり馴染んで作品としてのまとまりは良くなったと思いますが、僕個人としては初めて『君の名は』を観たときの方が衝撃が大きかった。

 今作の話の展開は最初から読めた。思った通りの展開でした。どんでん返しがあればいいとか伏線回収が見事だとか、そういうので名作かどうかを判断するのは違うと思いますが、正直ハッとさせられるものがいくらかはあっても良かったように思います。

 ハッとするものが何もないのに素晴らしい映画(のシーン)として僕がよく言っているのは『タイタニック』のオープニング。あれは大好きなシーンで、画といい音楽といい最高だと思っております。誰もが希望しか持たず幸せオーラ全開。先を知っているだけに僕はここで泣きます。

 そこまでのものは求めていませんが、例えば『君の名は』の山のシーンくらいの広がりを感じられるものがあって欲しかった。この監督の作品は背景がきれいだから期待してしまうところも大きくなってしまうんですよね。監督さん、ごめんなさい。

 扉についても、ドラえもんの『どこでもドア』に中身を付けてみました程度の感じしか受け取れなくて何だか消化不良でした。っていうか、ドアの間が『どこでもドア』であっちとこっちは同じ場所か。もうひとひねり欲しかったな。鍵をかけたいからドアにしたのかもしれませんが、必要性は感じられませんでした。鍵がかかるなら別のもので良いじゃん。箱の方が閉じ込めてる感が強い気がするし、管理上の問題がありますが、南京錠だってよかったと思います。要は、ドアの隙間に世界があるのか嫌なのよ。あっちとこっちでわけて!ってね。引き戸とかもってのほかだから。

ひとつだけ大事なこと。

 ずばり、東京にあった裏戸。これは興味を惹かれました。もしかしたら都市伝説界隈が騒いだのはここかもしれませんね。地下鉄の中に秘密の出入り口があって・・・みたいな話。割とがっつり書きましたからね、これ。場所を断定しないまでもそのうち分かるでしょう。リアルではそこに何があるのか。僕がこの映画で引かれた最大の関心ごとはこれです。

人のつながり

 そうだ、本作は行き当たりばったりの女子高生に色々な人が良くしてくれます。女子高生って得よね。おっさんだと警察呼ばれかねないのに。

 でも大事なのはそこではなくて、すずめはお世話になってるところで何かしらバイトめいたことをきちんとしているところです。恩返しがきちんとできているし、働かざるもの食うべからずをきちんとできているし、職業差別もありません。これは素直に褒められる点です。

 だからこそつながりが持てるんでしょう。おっさんは「母ちゃん飯~風呂~」ってそこで怠けてしまうから警察とのつながりが深まってしまうのです。すずめと同じようにがんばればそこまで疎まれずに済みそうです。

 縁、大事にしたいですね。良い縁は、ですが。

まとめ

 画はきれいでしたし、まとまりは良かったと思いますが世間が騒ぐほどは響きませんでした。良い作品も慣れってあるんでしょうか。寂しいような、仕方ないような。おすすめについては・・・それほど強くは押せないかな?新海作品初めてならどうぞ、って感じです。

 ただし、龍脈、東京、地下鉄、秘密の出入り口、このあたりは別の切り口から映画を楽しむ要素になりそうです。

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