ソニー NWS784:必要十分。この一言に尽きる。

オーディオ・ビジュアル
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他と比較してみるとやっぱりウォークマンはすごい。

 はい、デジタルオーディオプレーヤー比較第3回にして最終回。今回は番外編として、ソニーのS784というこれまた昔の機体の話を書きたいと思います。ただし僕のこの機体はbluetoothが壊れてるのでこれだけ有線の話となります。だから番外編なのですがご了承ください。

ウォークマンのイヤホンは良いものですよ。

 前回、前々回の本体にもイヤホンはついてくるのですが、はっきり言って全く使えない。絶対に別途購入してほしいレベルなのです。つまり、結局思ってるよりは高くなる。それでもウォークマンよりは安いんですが。

 対してウォークマンについてくるイヤホンはそれ自体定価5,000円程度の良いものなのです。つまり買いなおす必要がない。僕みたいにネックストラップ型じゃなきゃダメ、とかbluetoothじゃなきゃダメ、って場合は買ってくださいなんですが。

 前回、前々回のイヤホンは2,000円前後のものなので、もし5,000円出したらどうなってしまうのでしょう?ウォークマンに勝っちゃう?というところではありますが、このウォークマン5、6年前のモデルなので今のモデルだとやっぱりそちらもいくらか進化してるんじゃないでしょうか?とはいえこれだってまだ負けてませんよ。

基本的な音質はソニーらしくドンシャリです。

 ソニーらしくって僕の思い込みでしょうか?若干シャリ寄りですが、ドンシャリとはこのことだ!と言える音だと思います。良い意味でのドンシャリのお手本。でも中音域も死んでないバランスの良さはさすがソニー。実に嫌味のないドンシャリです。

特筆すべきは音質の設定。

 これまたさすがだなぁと思うのは音質の設定。イコライザーのカスタムは2つ設定できるし、何と言っても『DSEE』をはじめとする高音質化機能ですよ。平たく言えばアップコンバーターなんですが確かな効果がある。

 さらにさらに昔の音源でも今の音源でも音圧をそろえてくれる『ダイナミックノーマライザー』です。これ、前回までの本体には付いてません。ノーマライズは僕が自分でやってたんですが、ウォークマンはこの機能が内蔵されてます。手間が省けますね。すごくありがたい。

タッチパネルが良いとは限らない!と言わんばかりの確かな操作性。

 操作性については、レジューム機能はもちろんついてますし、ボタン操作タイプの機体だから前回までのタッチパネルと単純比較はできないのですが、音量ボタンが誤作動しにくい場所についてて安心して操作できます。

 再生時間は今の機体にも負けていない、77時間(有線イヤホン時)。ディスプレイのフォントは見やすいし、ボタン長押しでメインメニューに簡単に戻れる。これも使いやすい機能です。こんな感じで痒い所に手が届くというか、実に気の利いた機体だったんだとしみじみ感じました。

 イヤホンを5,000円として、製品価格が13,000円くらいなので、本体は差し引きで8,000円くらい、ってことになります。前回、前々回の倍以上の値段ではありますが、音質の設定と操作性を加味すると決して高くないと思います。僕も結局今回2組買ってるしね。1発で満足させてくれるウォークマン、おそるべしです。

 ただし弱点がないわけではありません。

 まず、接続端子が独自の仕様。こういうことやってるから日本製品はガラパゴスって言われてしまうんでしょうね。ここはまずいです。でも最近の機種だと改善されてるのかな?

 そしてSDカードスロットがなくて本体容量が8GB。当時としてはまあやれたんですが、現在の機体たちと比べると拡張できないのは見劣りしてしまいます。flacに対応させたんだから拡張性は持たせた方が良かったのではないかと思います。もっとも、この頃あたりからSシリーズをあえて買うのは僕みたいなハイレゾに疑問を持つ人が多かったのかもしれません。MP3の192kbpsで十分、それ以上はコスパが悪い!みたいな、ね。

 そういえば、僕が持ち歩く音源は今でもMP3の192kbpsが多いのですが、これって世間一般ではどうなんでしょうか?容量、音質から現在でも使い勝手が良いと思うのですが。

そういうわけで。

 S784はこれで完結するような、実に良い機体だったなぁと思います。コンポのEX50みたい。時代が進み最新機種とはスペック的な差をつけられてきているものの、音という、本質的な部分とそこへのアプローチとしての機能ではまだまだ負けていない。

 やっぱりオーディオは金額に比例するのか?

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