読書感想文 武士道:死ぬことと見つけたり、は別の本でしたが。

読書感想文
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 こんにちは。今日はこちら。タイトルにもありますが、『武士道とは死ぬことと見つけたり』は『葉隠』という別の本でした。

 ですが、こちらを書いた新渡戸稲造、名前は知ってますかね?5,000円紙幣の人で、キリスト教徒で・・・そんなもんか?確か農業がどうのこうのと習ったような・・・。そういう、歴史の教科書に出てくるような人が書いてます。

ちなみに『武士道とは死ぬことと見つけたり』とは

 『葉隠』というのに書かれているのでした、ですが、せっかくなのでもう少し調べたことを書いておきますね。この言葉そのものは「さぁ、切腹切腹」という感じではなく、「生きるか死ぬかみたいな2択を迫られることがあれば、死ぬかもしれない方を選びなさい」ってことだそうです。別に死ぬことが重要って言ってるわけではないのです。それで、敢えて死ぬかもしれないきつい方を選んで必死にがんばると案外良い結果が出るものですよ、ということらしいです。なるほどね。

この本ですが

 ではこの本には何が書いてあるか、ってことになりますが、そんな武士道とは何ぞや、そして当時の人はそれをどう捉えていたのか、今(って言っても書いた頃なので現在よりは昔です)にどうつながっているのか、みたいな感じで書いてあります。

 現在で言う自己啓発本的な在り方だったのかな?という気がしたのですが、内容が濃いというか、多分背景とか前提知識とかが無かったせいで読むのに特に時間がかかりました。

武士道、とはいうものの

 それは武士だけのものではない感じというのか、主に江戸時代ではないかと思いますがその他の身分の人々ありきでの武士の考え方、ふるまい方みたいなものが書かれており、うーん、難しいな。武士だけが守る道、みたいなものではなく、みんながある程度共通して考えてたこと、の方が近いかな。現代だと道徳というと分かるかもしれない、でも結局は武士に戻り、それが執筆当時にこう活きてます、という流れな気がしました。

 つまり、武士道は形を変え多くの日本人に浸透しています、という話だ、と思いました。そうだ、何となく当たり前な感じがあるんです、所々。だから変な違和感があるんだ。特別感がないというか。そっか。

 そして武士のお作法の教科書、みたいなものでもないです。そうです。この違和感もあったな。確かにお作法的な部分もありますが、先に書いたように現代的に置き換えるなら、マナー本よりも自己啓発本の方が近い本です。これだ。この感じだ、伝えたかったのは。

宗教観、歴史観がちらほら見えるのも面白い。

 新渡戸稲造はキリスト教徒で、武士道は基本仏教で、ということがあり、そこがまた難しくもあり客観的でもあり、分かりやすくも分かりにくくもありという浮遊感というか、流動的な感覚というべきか、そんな感じがありました。

 でも立場が違う宗教観、明治維新の時代をまたいで生きたという歴史的な背景があった人が書いたからこそ、この作品は良いさじ加減で出来上がったのではないでしょうか。歴史学者が調査、考察して書いたものとは違う、生き生きした生命力というか、エネルギーを感じます。

 ちゃんと自分の中に落とし込んでから書いてる感じ、脱帽です。

そしてなんと都市伝説的なあの組織が出てきます。

 秘密結社『フリーメーソン』。びっくりですね。そしてその扱いも陰謀論的な感じで、もう当時から都市伝説やってたんだ~、と感心しました。ほんの少し出てくるだけではありますが。

 でもすごいですよね。相当長い期間引っ張ってるネタなんだと思うとそこに変な歴史の重さみたいなものを感じます。で、武士道と言いつつ現代にもつながってるんだなーと思うのです。何も特別なものじゃないんだね、って。当たり前の日本文化なんだ、みたいな。いやはや、すごい。

太平洋戦争までは生きてませんが

 日露戦争あたりまでは言及してます。すごいなー。刀があった時代から坂の上の雲まで生きてるわけです。坂本龍馬暗殺、西南戦争、日清戦争、日露戦争って、生きてるんです。すごい。当時の肌感覚で龍馬暗殺の真犯人の話とか噂を聞いたりしてたかもって思うと鳥肌ものです。きっと今の科学的なアプローチとは違う切り口で話されてたんだろうな。「実はね・・・」みたいな。

 そう思うと近代の人ってすごく貴重な存在ですよね。写真は残り、歴史も残り、って。ま、発展しすぎて炎上だなんだってとこまで来た現代は多少やりすぎな気もしますが。

まとめ

 『葉隠』と勘違いしないように。でもこれはこれで読んでおいて損はないです。武士がより身近なものになると思います。何でもかんでもぶった斬る人、というよりは戦わないるろうに剣心を少しシャンとさせた感じ?お侍さん。

 で、その道はおそらくDNAに刻まれる感じで現代日本にちゃんとつながってることも感じる、そしてそれが逆に妙な違和感として感じられる不思議な本でした。

 ちょっと時間を要する本ですが、確かに日本の精神が脈々と受け継がれるのを感じると思います。なんとも変な感覚。何かに目覚めてしまう人出るかもしれません。でもおすすめできる良い作品です。

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