こんにちは。久しぶりの読書感想文です。以前『忌録』を読んだんですが、こちらは新しい、のかな?同じ人の作品です。今回のは難しかった。では、行きましょう。
今回は前回とは逆の構成でした。短編がつながってます。
前回のは短編それぞれが独立した話だったのに、いわゆる1章、2章的な読み方で入っていったために、途中で混乱した、というのは書いたと思います。
今回のはその逆。いわゆる1章、2章的な読み方の作品、でいいはずです。『はず』っていうのは、2周したんですが、理解しきったわけではないので、なんですよ。今回のは難しかったなー。
それと、前回のはクリックして、っていうのが電子書籍として斬新だったのですが、今回のはそれができなかった。ひと手間加えると出来たのかもしれませんが、前回のほどは影響ないんじゃないかな、と思ってスルーしちゃいました(/ω\)。
ネタ、というか、テーマというか、要するに(ほぼ)同じものについて書いていると思われます。
歯切れが悪いなー。ごめんなさいね。でも多分そういうことです。1周目でもある程度関連性みたいなものを感じることはできると思われますが、2周目に入ると、多分確信。でも、多分なんだよな。読みが甘いのかな?
要するに、でどんどん書いていきますが、本作は、ある奇妙な行動が、神楽であったり新興宗教であったりカルトだったりといった風にいろいろな形あるいは時代で行われ、現代では都市伝説として残っている、もしかしたら続いてる?みたいな感じの話です。
全く同じかというとそうでもないところがまた端切れを悪くするのですが、時系列を整理しつつ考察していきます。
①呪術師の息子さんのブログの章にもしかしたら的な書き方で書かれているのですが、これを本当として、とあるウィルスか寄生虫か何かがあった。これに感染する(寄生される)と、首を切り落としたくなったり、胸に刃物を刺したくなったりして、とにかく死んだり殺したりしたくなる。
また、この症状の特徴として密室のような空間で起きることが多い。
②①の症状をある地域では呪いとしたり、別の地域では神楽としたりした。カルト教団の儀式にしたところもあった、というのが他の色々な章。当然やばい事態となるため、人々の日常からは距離を置かれ、文化としては廃れて隔離されていく、ということになる。
③これを後の世で利用したか参考にしたのかは定かでないが現在でもわずかにその痕跡は見られるし、死ぬ人もいる。死人が出る心霊スポットではウィルスも生きているようだし、持ち出して保管している人もいるのかもしれない。としつつも、殺人が続いているのは、根本にあるいはここまでエピソードを並べておきながらまったく関係ないオカルトチックな何かがあるせいなのかもしれない、というのが最初と最後の章。
・・・とまあ、各エピソードを古今東西をごちゃまぜに、ただレポートが届いた順に並べてみました、さぁ、後はみんなで考えよう、という構成なのが今作なのかな?という感じです。割とアプローチは科学寄りですね。冷静です。
やっぱり心霊スポットには面白半分で行ってはいけません。
今作を読んで。「いわゆる」読書感想文的な感想を書きますが、やっぱり心霊スポットには行きたくないし、行かない方が良いですね。少なくとも何の覚悟もせずに行くのは良くないです。幽霊がいるいない、ではなく、今作のようにウィルス、とか今作は関係ありませんが例えば高濃度の放射線とか毒ガスとか、『そこに行ってから何だか体の調子が悪い』原因になるものがあるのかもしれませんから。いわく付きなのは何かはある、と考えるべきでしょう。
季節外れの怖い話ですが、気を付けたいですね。それでも興味があるのなら、行かずに調べる程度にとどめておくのがギリギリと言ったところでしょうか。前作の光子菩薩のように見たらだめ、みたいな強烈な画像とかあったら大変ですが、興味とトレードオフだと思います。
まとめ。1周しただけではわからない、昨今流行の『伏線回収』こそがメインになる作品だと思われます。
しかも、2周目でないと回収できないパターン。なかなか読みごたえがあり、僕自身まだ消化しきれていませんが、時間のかかる作品です。余裕のある方向けです。
最後に。タイトルに『occult』ってあったんですね、今気が付いた。・・・分かったかも。『オカルト』を辞書で引くと『神秘的な』みたいな、非科学的なニュアンスの説明になると思います。とするならば、作者の言いたいことはおそらく『オカルト、なんて言ってますが、よくよく見るとどうです?結構人間臭いもんじゃないですか?』的なものとなり、この観点を持ち続けて読むと真犯人(真実)が分かる、みたいな作品なんじゃないの、これ?うわー、また読むのか。
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