読書以外感想文 KAPPEI:『北斗の拳』を知っているかどうかにかかっている。

読書以外感想文
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 はい、こんにちは。今日のもまたプライムビデオのおすすめとなっておりまして、先日戒めを書き残した作品がありましたが、こちらはOK。あちらよりもよっぽど好きな面白い作品になっております。

 コメディという意味の面白い、でもあるのですが、崇高なものをとりあげたのに残念な例の作品とは違い、実にくだらないものをとりあげても最後まできちんとそれを通すと最終的には良くなるんだなぁ、と思わされました。後は役者なのかな?演技が違う。とにかく行きましょう。

『北斗の拳』を押さえておくとかなり面白い。

 伊藤英明さん、主人公カッペイ役ですが、北斗の拳のケンシロウいけますね。今までは阿部寛さんがやると良いと思っていたのですが、伊藤英明さんのケンシロウもありになりました。ま、本作とはまた別の話ですが。

 この作品、より楽しむための事前情報として『北斗の拳』を読んでおくと良いと思います。『北斗の拳』はかなり古い漫画ですが、っていうか、僕は好きで持ってたりするんですが、バイオレンスないかれた時代の世直し格闘漫画です。おおまかな点については説明不要な作品です。「お前はもう死んでいる」とか「わが生涯に一片の悔いなし」とか「強敵(とも)」とか「うぬ」とか、数々の名言は今でも多くの人々の間で使われています。

 でも、あんなの、殴って倒してめでたしめでたし、でしょ?っていうレベルではこの映画の前提としては甘い。『北斗の拳』自体、けっこう突っ込みどころのある作品で、現代の作品の設定みたいにきちんと練られていないため粗がたくさん出ています。そしてこの粗こそが、『KAPPEI』を面白くするスパイスになっています。『DD北斗の拳』とは違った角度からのいじり方で、これが実に面白い。

 もうこの際、ちょっとイレギュラーですがリンクつけよう。全15巻です。こちらは文庫サイズなので字が小さいのですが、これで十分です。拳が語ってくれる作品なので文章を一言一句落とさずに、ってレベルではありませんから。大きめのが良いという人には、再編集と追加が入った『究極版』っていうのもあるようで、まぁ、名作には違いないのでそちらを買うのも良いかもしれません。っていうか、僕が欲しくなっちゃった。話を文庫版に戻して、とりあえず黒い背表紙が15冊あるので文学全集っぽくなります、部屋が。勉強できる子の部屋っぽくなるのでおすすめ?

さて、いよいよです。

 ・・・良いよね?北斗の拳の話ばっかりになってましたが。

ここからは気を取り直して本作の方、行きましょう。

 終末が来るから、ということで、それを拳法で乗り切ろうと考え、修行に励んでいる少年たちがいましたが終末が来なかったのでこの集団は解散し、一般常識のないまま普通の世界に旅立ったのでした、という話。

 ちなみに。北斗の拳は基本的に終末どうこう、のための拳法ではないです。どちらかというと愛のためだったと思います。うん。はい、無茶苦茶でしょ。そこが大事なのです。そういう、はい?っていう原作の設定を(って、とうとう原作にしてしまいましたが許してね)上手に拾ってくれてるんですよ。監督は原作ファンかもしれません。で、上手にいじる。この際ナウシカ風に解説書いてしまうと、本作がいじるのは上の文庫版での8巻、9巻あたりまでの内容となっております、はい。全15巻だから、半分ちょっとなんですね。

 武術がたくさん出てきますが、全く構えることなく鑑賞できます。難しいことを考えて悩んでたり、人生に迷ったりしてるときに見ていただくととても良い映画だと思います。ちっぽけに見えていた現在の自分がいかによくできた人間なのか、自己肯定感を上げることが出来ると思います。

 この手の作品は終始同じキャラクターを貫く(成長しないがブレもしない)傾向がありますが、本作ではカッペイたちも現代社会に少しずつ慣れていっている様子が描かれ、話だとみんなだいたい40代らしいのですが、そこからのリスタートが十分可能である、と実に分かりやすく教えてくれています。20代なんて、まったく問題ない。30代だって余裕。40代だってまだまだ。人生はやり直しがきくようです。描かれてこそいませんが50代だって60代だって何にでも挑戦できるって感じがしました。途中で死んだ?師匠は何歳だったか、やっぱりまだまだお元気だったし。

 実にシンプルな作品。「元気に生きていこう」これにつきますね。

 あれ、終わっちゃった。やばい、内容は薄い感じになってしまった。うん、濃くはないよ。あれやこれやご託を並べる作品じゃないんだ。拳で語る系の作品なんだ。だから気にするな。目の前のことに集中するんだ。それで結構うまくいくもんだ。多分そんな感じの作品。

最後に。

 終末は、実は来るんです。でもまったくどうでもいい。おそらく誰かが上白石萌歌ちゃんの金髪姿を見たかっただけでしょ、という感じ。この辺りも原作っぽくて好きですね。そうなんですよ、伝わるかなー、原作の粗の感じ。もはや味と呼ぶべきか。この、欲求に忠実というか、ド直球というか、描きたいから描きました、みたいな感じが昔の漫画にはありましたね、そういえば。

 文量は少なかったのですがおすすめ度は何気に結構高めです。自分に自信がなくなったときに観てみてはいかがでしょうか。

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