はい、こんにちは。いつの間にかクリスマスが近づいてきてしまっています。気まずいなぁ。
さて今日ご紹介するのはこちら。ネット配信の作品だったのが大変好評だったので再編集されて劇場版になりました、ってよくあるパターンの名作です。今となってはかなり昔の作品ですが、ガラケーだよ、ってところを除けばおおよそ古さは感じません。っていうか、アンドロイドなんだから未来を感じましょう。
最近『AIの遺伝子』という番組をテレビでやっていたようですが、それを見て思い出し、鑑賞したという流れです。いやー、良い話でしたよ。では行きましょう。
バトルものではありません。優しい話。
アンドロイドが普及しだしてまだ間もない頃、という設定です。やっぱりいるよね、という感じで新しいもの(アンドロイド)を受け入れる人と受け入れない人がいて、それぞれの立場で生きています。
主人公の家はお父さんがアンドロイド関係の仕事をしているためアンドロイドがいます。最後の頃に分かるのですが、とても重要なモデルとなっています。
そういえば、この作品は映像分だけでもまあ楽しめますが、僕は漫画も読んでより深く楽しみました。最近の作品と違い、良い作品なのに伏線がちらかったままなんですよ、これ。で、漫画を読んでいくらか補完。読んではいませんが小説もありそちらでも補完できる要素はあるでしょう。それでも解決しきらず、現在でも続編が出とか出ないとか言われています。出ないんじゃないかな、と僕は思うんですが。
続編は出ない体で話を進めます。バンバン思い込みを書いていきますからね。
なお、アンドロイドの話ですがバトルはありません。人によっては『家電』と表現されるような存在となっております、この話のアンドロイド。
誰がイヴの時間に呼ぶのか。
これはブログに書く以上避けて通れませんね。ほぼほぼ推理になりますが、書いておきます。
これに関してはおそらく潮月です。最初の方でモブっぽいアンドロイドが主人公たちの目の前でイヴの時間に入店します。これがきっかけで物語が展開していくのですが、一見このアンドロイド、この後店内で輪っかが消えてることを指摘されてお役御免っぽいんですが、実はこの後、潮月の部屋に入っていくシーンがあります。つまり、このアンドロイドは潮月の指示でイブの時間に入店している、というのが僕の考え。このアンドロイドが他のアンドロイドにイブの時間を紹介しているのではないでしょうか。ナギさん説が通説ですが僕のこの異説どうですか?あたりなら潮月、攻めてますね。
ナギさんは何者なんですか?
はい、これも気になるところです。で、ここで劇場版とオリジナル版との違いになるのですが、劇場版はエンディングの歌にのせてトキサカ事件から現在の場所にできる前のイヴの時間の営業までが、紙芝居的に流れるんです。ただし解説等がないので絵を見て考えるだけとなります。これが結構また難しいんだ。
で、です。それから想像するに、ナギさんはおそらくトキサカ事件の被害者。トキサカ事件とは、昔ロボットに反対する人がロボットを壊そうとしたら誤って人間を攻撃してしまった、というもの。・・・この話ではアンドロイドというのはかなり人っぽい見た目のものを指すようです。そこまでじゃないのがロボット、となります。
さて。ナギさんはこの事件によって寝たきりになってしまった。で、ここで重要なのが意識があったかどうかなんですが、見る限りではヒント無し。紙芝居の方でぼうっと何かを見ているような絵がありますが決定的とは言えませんし、漫画版だと潮月が来て「今の君だからできる事なんだ」ってお願いをしていますが、意識不明の人に話すのなんて、別に珍しくもないし。ま、このシーンでナギさんが潮月を見ているような感じで描いてはありますがその前には「この子は諦めるしかない」的な文言が出てくるしで、とにかくどっちつかずな印象を受けます。
なので、僕が話を作りましょう。仮説ってことね。ナギさんは意識がありませんでした。で、潮月のお願いっていうのが、作品でアンドロイドの『心』とされているAIを、意識不明のナギさんに入れさせて欲しい、って事。意識がないのでナギさんの返事なんかありません。潮月は実行してしまうのでした。
つまり、ナギさんはアンドロイドの心を持った人間となったわけです。
ついでに。ナギさんが潮月をハグするシーンをちゃんと見てると彼女の手の皮膚の下に機械っぽいのが浮き出てきます。これか。何が?と思った人にお話ししますが、『心』って何だと思います?っていうか、どこにあると思います?
僕が思うに潮月は『心』であるAIの装置をナギさんの手としてとりつけたのではないか、と。すると潮月の義手も、そのマッドな仕事熱心の表現として納得できます。自分の手を使ってあれやこれや実験してたってことです、潮月。脳みそ取り換えるなんて過激な表現は似合わない作品ですからね。ま、僕の仮説ですけど。
もう一つ考えられるのが、最近リアルで自分の思考パターンをAIに学習させて、最終的には自分のコピー、っていうか自分にするっていうのやってた科学者がいましたが、これをナギさんでやりました、って説。この場合、作品中のナギさんはおそらく完全なアンドロイドってことになります。
紙芝居でリハビリを頑張るナギさんが出てくるのですが、リングはないので僕としては前者を押したいところではあります。が、次の潮月の声の件と合わせると後者かもしれない。
潮月の声について
作品の最後にいよいよって感じで潮月が出てきます。その時なんですが、どもってるのは別として、機械っぽい声なんですよ。でこれまたヒント無し。ですが、これについても僕の仮説で。潮月は人間なんだけど、ナギさんの方の都合で機械っぽく聞こえてるのではないかと。実は最初に主人公たちがイヴの時間に入店したシーンで不自然な目線のシーンがあるんです。サミー(主人公の家のアンドロイド)がこっそり・・・ってことも考えられなくもないのですが、潮月の声の件と合わせるとナギさんだろうな、って気はします。
うーん、ナギさんはどの程度機械化しているんだろうか。僕は手だけだと思っていますが。そうすると、紙芝居で潮月とナギさんが手をかざしている絵に何となく説明がつく気がして。「心がロボも、体がロボも大差ないよ」って。うーん、デリケートな表現だからなー、伝わったかなー。
アンドロイドも辛いのね。
これは主に漫画を読まないと分からないんですが、アンドロイド的には停止は『死』を意味しているようです。だから停止の度に死ぬってこと。これはしんどいね。
あとは、作品の核心部分でしょう。アンドロイドにももう心はあるんだけど、人間に合わせてあげる形で、人間が想像するロボットっぽい行動をとっているだけだった、という。
でイブの時間に行くとその辺のルールが緩くなるんで好きにできるというわけ。アンドロイドすごいわ。人間若干見下されてるよ、がんばろう、人間。っていうか、見下してるんじゃないんですよね、もっとこう、愛なの。優しいのよ、本作のアンドロイド。もう、下手なヤンキーより人間が出来ている。
それが故にサミーは辛い過去を今でもトラウマとして引っ張っているのでした。っていうか、トラウマとかもうほんとに人間だわ。
最後に。
恒例の?タイトルの意味を考えよう、ですが、アダムじゃなくてイヴの時間。イブレンドって言いたいからじゃないと思いたいです。また、アダムの時間っていうと、潮月じゃなくて冬月になっちゃうし、何となく手袋付けそうな感じだしね。
おそらくは、イヴってアダムに似せて作ったって話でしょ。だから、人に似せて作ったアンドロイドが楽しめる時間を、ってことでイブの時間ってお店を作って、そこで繰り広げられるお話、ってなるんでしょうけど。なるんでしょうけど、そこはあえてイヴにされてしまったナギさんへ潮月が作ってあげたお店で~っていうのが良いな。すると店のつくりのハイテクっぷりも納得でしょうし、潮月にも贖罪の機会をあげられるもんね。機械だけに。って、結局シャレかい。
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