こんにちは。もうね、ほらやっぱり、ってことになってますよね、コロナ。で、緊急事態宣言を拡大、だそうな。先にオリンピックどうにかしろよ、って。あーあ、もう、国民の声など届かないのでしょうね。残念だ。政治は仕事じゃない、と思うんですが。
さて、そんな中今日のネタは「私がやったんじゃない」ともはや・・・あーあ、こういう言い訳がましい話です。裁判みたいなルールがあるものを逆手にとってルール上問題ないんだから、という、倫理的にどうなんだ?っていう話。頭に来ます。ま、こちらは作品なのでそれだけよくできていると考えられなくもない。でも現実でやっちゃだめよ、って誰に言ってるんだか。
結構話題になったようです。原作あるらしいので、読書感想文でもいけるかも。
とはいえ、原作と映画は少し違ってるようなので注意ですが。では行ってみましょう。以下ネタバレ注意です。
大変に胸糞悪いネタとなっております。
まず、僕は結局タイトルの意味が分からなかった。『罪』の『余白』?どう考えたらよいのでしょう?『罪』。一応、劇中で『罪』になっているのはお父さんを突き落としたってことで殺人未遂とか過失致傷とかそういうのでしょうか?とするなら余白というのは罪にはなっていないけどみなさん読み取ってね、という、本作品の核心部分『いじめ』ってことになるのかな?
それともいじめの方を『罪』とするなら、余白にあたるものは・・・『証拠』?ついに抑えられなかったいじめの『証拠』?
気になるタイトルの割に意味が分からない、納得できないのは個人的には珍しいです。
軽くおさらい
本編を軽くさらっておきましょう。
お父さんの娘がいじめにより事故死します。黒幕(というか、わかりきってるんですが)は結構頭を使い上手に逃げます。お父さん、なかなかきめかねてます。心理学者なのに、って思う人かなりいると思いますが、心理学者って、統計ばっかりとってて一般的なイメージのあれとは違うみたいっていうのを聞いたことがあります。僕らが思ってる心理学者にあたるものは臨床心理(士とかカウンセラーとか)関係の職業とか、マジシャン、催眠術とか、詐欺師とかの方が近いらしいです。
話を戻して、お父さんは偽名を使われたとかでかなり早い段階から黒幕を認識していますがどうにもこうにもしっぽがつかめない。父親としては振り回されっぱなしでしたが、同僚がコケにされたことをきっかけに物語の後半はプロとして黒幕咲をつぶしにかかります。こっちが僕らの心理学者のイメージですね。
最終的にダブルバインド的に追い詰めた咲をようやく犯人にすることができました。本来の『事件』の、ではありませんでしたが。そのあたりがエンディングの咲のひょうひょうとした感じに表れている気がします。
ダブルバインド。いじめの説明のためにあるような言葉ですね
映画の説明によると『誰にとっても良くない、にもかかわらず選択せざるを得ないような選択肢』ってことになるのかな?逃げ場がないあたり、いじめに近いですね。ま、咲も、最後はお父さんも、そうやって相手を追い詰めていったのですが。
多分いじめってこういう状態なんでしょうね。リアルでこういう状況になって困ってる人がいたら僕、言ってあげたい。『全力で逃げろ』。ただの『逃げろ』だと、いかにも、って感じで弱さが強調されるばかりですが、そういうことじゃないです。言い換えると『全力で、距離をとれるだけとれ』ということです。別に逃げてるんじゃないよ。相手の間合いに取り込まれないように離れとけってこと。こういうキ〇ガイみたいなやつはまともにやりあっちゃいけません。正体に気が付いたならもはや関わってはいけません。でも、間に合わなかったんだよね、娘さん。貧乏くじを引かざるを得なくなってた。
謎が多い映画でした。
先のようにタイトルの意味がわからなかったので他の方の感想とか考察とかを見たんですが、解決しなかったものが多い。でもそういう中でみなさんが疑問に思ってることについて、僕なりに答えを見出したものについて書いておこうと思います。
エピローグでベタを大学の水槽に入れたのは・・・お見合い。
僕の解釈で現代の映画には無駄がない、っていうのがあるんですが、それに基づいて考えると、映画の最初の方で同僚さんにベタのお見合いの話を振られていますが、大学の水槽にそのお見合い相手がいたので、っていうことではないでしょうか、特に難しく考えないで。
そもそものいじめの原因
これは娘さんにも残念ですが落ち度はあったと思います。咲の女優志望は『夢』というよりは『ライフプラン』。なりたいな、なれるといいな、というレベルではない。もはや本人としては決定事項だったのです。自分なりにかなりの覚悟を持って臨んでいるのですが、それに対して全くの外野の意見は確かに失礼です。よくあるでしょ、「こっちは真剣に話してんだよ!茶化すな」みたいなやりとり。そういうのでしょうね。でもいじめてはいけない。その場で喧嘩して乗り越えなくてはいけない。でもそれを邪魔する咲の自信と築き上げた自己ブランドイメージ。自分より下の者と同じ土俵には立たない。
咲の女優志望について
僕もそれなりの時間を生きてきて色々な人を見てきて思うんですが、咲の女優度?っていうのかな、それって自分ではそれなりに一生懸命なんだけど、結局今はまだ素人レベルなんです。事務所のスカウト待ちしたりしてそれなりにアクションを起こしていますが、何というか、成功していく人って、このくすぶりみたいなのがない、というか、もうちょい動くんですよ、どうやら。見えない壁を突き抜けるの。咲、そういうのを多分感じてたんでしょう。芸能事務所で社長さんに言われてから「じゃ、どうすりゃいいのよ?!」って感じにあたふたしてますよね。でも精一杯強がっちゃって、そのあたりは年相応というか、素直でよかった。でも何で学校ではえらくなっちゃうんだか。
で、僕は咲の女優志望について疑問があったのですが、劇中で芸能事務所のお姉さんに「好きな映画、何?」って聞かれてるんですよ。答えは描写がなく不明なんですが、その後お父さんが学校に乗り込んできたときにやりとりの最後に「しーっ」ってポーズをとるんです。あ、ちょうど貼り付けたポップに出てますね、それ。
咲が好きな映画、予想の一つがこの「しーっ」ポーズが印象的な映画ではないか、と。そういうのあれば、ですが。
あるいは逆に、実は女優志望を熱く語る割に?特に好きな映画はなく、よくあるでしょ、中二病みたいなので「過去の作品に興味はありません、私が納得する作品は私自身が作ります」みたいな。で、そういう感じで好きな映画はないって言って芸能事務所のお姉さんにも見切りをつけられた、と。
映画を見る限りではどっちもありうると思うんですよね。どうでしょう?
ラストでお父さんは下に車が来たのを利用して死なないように落下したのでは?は考えすぎだと思いますが、車を意識してはいたと思います。
これは考察を拝見してなるほど、と思いました。お父さん、下に同僚の車が来たことに気が付いて、それ目がけて落ちれば死なないと踏んでわざと落ちた、という説。
わざと落ちた、については僕も賛成。あの柵、押されて落ちる高さじゃないよね。たぶん自分から落ちた。これは僕も納得です。でも車を目がけて、っていうのは違うんじゃないかな、と。
お父さんは、駐車が下手な音で同僚さんが来ているのは把握し、自分に何かあればその後の手筈は整ってるし、なんなら現場を押さえる証人になってくれる、と思って落ちたんだと思います。死んで構わないと思っていたのでしょう。それにしても証拠を押さえることができて大変満足そうに落ちてます。
さて、感想。優しくなりたきゃ、まず強くなれ。
非常に胸糞悪い。こういう中で生きてく中高生のみなさんはかなりしんどいですよね。でもこれ、大人になっても続くよ。今だけ我慢すれば、っていうのは半分正しいけど、半分間違い。もっと根本的な部分で自分なりの解決法作っておかないとそのうち殺されるよ、いや、ほんとに。
こんな大人げない、そして変に上手に追い詰めていくいじめ、やめてほしい。これね、でも真剣に考えると多分、いじめてる人はそもそも対象さんに何か危機感を感じて始めるんです。自分をわかってくれない、とかが多いのかな?
認識してるかどうかは分かりませんが本人としては自分が被害者の立場から始まるの、あるかもしれません。気持ちはわからんでもないのですが、その温度を他人に強要してはいけないんです。自分は他人のその温度、ちゃんと感じてあげてる?無理でしょ?なのに他人には求めてしまうって都合よすぎじゃん。そういうことではないでしょうか。自分に悪気があるかなんてきっかけには全く関係ない。本当に気づかないだけなのに突然「わかってくれない」ってキレられるんです。
だから申し訳ないんですが、こういう関係に気が付いたらとっとと逃げましょう。他人の一生懸命の温度に合わせつつ自分の熱いものを維持していくことはかなり難しい。熱い思いを強要する、って状態がすでに無理ゲーなのでためらうことなく離れていい。付き合ってると死ぬほど疲弊しますよ。
それと、こういうのを分かってあげたいんだっていう人、悪いことは言わないからまず強くなりましょう。強くなれないうちにこういう優しいこと言ってると、いざ「ここまでか」ってときに逃がしてもらえませんからね。溺れる者は藁をもつかむ。強いぜ、この時の力。
でもきっと青春真っ盛りなみなさんは、みんなと仲良くしたいんだよね
だよね、きっと。その気持ちもわかる。大切な友達なら特にね。つらいときに寄り添ってあげたいもんですよね。ま、大事な友達がみんなこの咲みたいなこのわけはないので、そこまで心配してはいないのですが、それでも最初は気が付かないってことはあるでしょう。僕からもう一つ。大切な友達だって、絶対喧嘩することあります、対立もします、だからこそ色々な面を見ることができてより分かりあっていくんです。でね、本にもなってるんですが、『嫌われる勇気』っていうのを時には見せてあげてほしいんです。
ある程度年をとっても、間違うことあります。間違ってても訂正できないことっていうのもあります。若い人にそういうのがないわけはないんです。悪いことでもおかしいことでもない。でも、そういうのを止めてあげないとどんどん悪い方に進んでしまう場面ってきっとあります。そんな時、嫌われても構わないから止めに入ってあげられる、これって友達じゃないと伝わらないと思うんです。もちろん、それがきっかけでこじれたら逃げるんですからね、うーん、デリケートすぎるんだよ、今。痛みに過剰反応してしまうような。でもね、友達なら何かは届くんじゃないかと思います。そういう場面が来たら、止めに入りたくなるような、そんな大切な友達ができると良いですね。
最後に猛毒吐いておこう
さて、僕の感想をもろに出してしまうと、咲はもっとひどいことになってもらわなくては困ります。鬱陶しかったかもしれないけど、自分のせいで人が死んだんです、しかもそれ見てすがすがしい顔してたんだよ、こいつ。すかさず演技始めるし。で、事実を隠すために更にたくさんの人を傷つけて、反省してないんですよ。
最後のベランダのシーン、咲のお供の子が失禁してますが、この描写はお父さんに首絞められて「私が突き落としたんじゃないよ」と言ってる咲でお願いしたいところです。で、以下妄想です。怒りの鉄拳を食らえ。
咲「私の人生どうしてくれるのよ!」
父「かなの人生めちゃくちゃにして何言ってんだよ」
咲「だからかなが勝手に落ちたって言ってるでしょ!」
父「ごちゃごちゃうるせぇんだこの野郎!」
咲「なんで私ばっかり責められるの?真帆だっているでしょ」
父「お前をつぶせばそいつも終わるんだよ、わかってんだろ?だからまずお前なんだよ!おらっ柵に立ってみろ!」
父、咲から手を放す。
咲「立つわけないじゃない!馬鹿じゃないの?!」
父「案外度胸ないんだな。おい、そこのお前、こいつが立つの手伝ってやれよ。こいつが知らないお前を見せてやろうぜ」
真帆「・・・私には何でも話してくれるんじゃないの?」
ゆっくりと咲に近づく真帆。
咲「ちょっと何やってんの、真帆!」
父「お前がかなにした事だ!」
真帆「・・・つき・・・そつき」
咲「真帆、ほんとやめて。ディズニーランドいくんでし・・・」
もつれあう中で咲の体が柵を出る(父の場面より、無理があるはずなのにすみません)。
真帆「嘘つき」
驚いた表情とともに落下する咲。
ドンッ
咲「・・・どう、して・・・死、にた、く、な、い・・・」
真帆「わぁー!!」
咲死亡、真帆発狂。
みたいな。ああ、文才ないな。ま、限られた時間とスペースなので勘弁してください。
まとめ
そんなこんなでどっぷり浸かってしまった作品でした。いじめはだめ。僕、いじめって喧嘩とかすれ違いのバランスが極端に傾いた状態ではないかと思うことがあります。ならばバランスが傾く前の段階で止めたい。
止まらないなら、とにかく逃げろ。そして、優しくなりたきゃ強くなれ。と偉そうなこと書いてもこの問題、課題だらけです。うかうかしてると自分も危ないですから気を引き締めて取り組む必要があります。
そして僕が時々感想文の書き方で言ってる自分の意見を展開するってこんな感じです。スタイルこそ独特でしたがこれならできそうでしょ。夏休みだし、学生さんは読書感想文適当に頑張ってください。で、一生懸命やりたい何かを見つけて、そっちにエネルギーを使ってください。
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