こんにちは。今日はこちらの作品。タイトルは前から聞いたことがありました。かなり有名なのかな?という感じで何となく鑑賞が始まりました。まぁ、『〇〇の王』はよくあるので気のせいだったのかも。なんて毒吐いてますが、多分これは原作ありきの作品でしょう。なんかそれっぽいものを随所から感じはするのですが残念、なかなか爆発しなかった。
原作で補完しながら鑑賞する作品だと思っています。もしくは、原作の雰囲気、動きといったものを補完する映画と言えるかもしれません。この作品だけで「とんでもない名作だ」とはならなさそうですね、過度な期待は禁物です。僕は映画を観ただけですが、原作⇒映画⇒原作という流れで味わうのが良いのではないでしょうか。
プロダクションIGが制作してるのかな?
プロダクションIGが作ったようですが、あの会社はやっぱり『攻殻機動隊』とか『サイコパス』みたいな、サイバーなものが得意なんでしょう。今作もきれいに描かれてはいましたが前述の作品のようなかっこよさ、というか迫力までは出きってなかったかな、と。最近のアニメ映画の作品を意識してるのかもしれない、という感じでした。「プロダクションIGはこういうのも作れます」みたいなのを主張したかったのかもしれません。でも他の会社もすごく頑張っているためでしょう、衝撃を受けるほどではなかった。キレイですよ、もちろん。でも周りのレベルも上がってきているので相対的にはね、っていう話。ストーリーはよくあるパターンで、冒険ものです。日本人は、とは限らないかもしれませんが、王道ストーリーはやっぱり安心感があります。でもこれがまた、前述のとんがった作品を手掛けてきた会社には少してこずる要因だったのかも。でも何作か作っていくうちにさすがは、ってレベルになるんじゃないかとは思います。実力はあるんですから。
ではそろそろ中身を踏まえていきましょうか。
昔争っている国々がありました。で、形勢が決まりつつあったところで謎の病気が流行り、そのせいで戦争が本来とは違った形の終わりに向かって行って、現在はそれなりに平和になりました。っていっても支配関係があるのかな、という感じなのですが。そのあたりがよく分からなかった。最初は主人公のバンさんが奴隷のように扱われているので、二国はそういう関係なんだろうというのは分かりますが、それ以上のことがよく分からなかったです。よく見ないといけないかな。
で、最近また例の病気が流行り出したらしいよ、ってところから話が始まり、あれやこれややってくうちに、どうやらそれが人為的に起こされていた、ってあれ?コロナみたいじゃん?ま、そんなストーリーです。
コロナもようやく終わりが見えてきましたね、ひとまず良かった。あれは結局どう帰結するんでしょうか?人為的に、って話、ありましたよね?
あ、そういえばクライマックスのところで偉い人がユナを追いかけるバンさんを殺させようとしますが、殺しちゃったら争いは続くじゃん。戦争を終わらせたくないって思ってるんでしょうか。何だかな。ま、いるよね、そういう、戦争をしたがる人。
そんなこんなで病気の根本である犬の王に会ったバンさん。王にならないかと誘われて・・・。という話。
鹿の王、ではなく犬の王、では?
ってほど、鹿の王の印象が薄いんですが、そこはそういう認識で合ってるようですね。バンさんも言ってました。適材適所、みたいな感じでその場その場でのベストな選択肢としてなるものがなる役割、というのが鹿の王なのだということらしいです。いかにもな感じでおぉーっ!ってなるものではないらしいです。
で、本作ではバンさんが鹿の王です。自分が断ったので先代の犬の王に精神を乗っ取られかけたユナを救い出した。そういう役割だったということです。半分くらい自分のせいだったみたいですけどね。自分が犬の王になって何もしないことを選択しても良かったのに。
・・・映画で言ってることをもとに考えますと、ユナと一緒に生きていきたいバンさん。そしてユナには(多分あちこち旅をして)色々な人に出会って欲しいバンさん。なので木によって縛られてしまう犬の王にはならない、させない、ということなんでしょう。でもいざとなれば木の根っこ動かせるんだから移動できないのかね?最後は別れちゃうじゃん。なっても良かったのかもと、思います。
次にもう一つ、一時的に先代の犬の王に取り憑かれますが、犬の王というのはダライラマみたいな感じで転生しつつも意識は引き継ぐ、みたいなもんなのでしょうか?だとしたら犬の王になる、ということは体を提供し、ってことになり、これだと確かに拒絶しておかないと『自分』はどうなってしまうのか分かりませんね。だからやっぱりバンさんは犬の王にはならなくて正解でした。
とにかく犬の王は結局途絶えます。よくわからないのですがバンさんは犬たちとともにどこかに行ってしまいます。このシーン、意味がわかりませんが、表現としては犬たちは病原体で、バンさんはそれを暴れさせないようにどこかに連れて行ったのでした、ってことになるのかな?お涙頂戴のためのシーンだった感じがして、僕は好きじゃないです。
で、バンさんは最終的にどうなったんだ?大きくなったユナと再会するのは乗ってた鹿だけで、バンさんは出てきませんでした。死んじゃったのかな?っていうほどの傷は負ってなかったと思うのですが。老衰で、って年齢でもなかったし、あの後登場したって考えるのが筋かな。特に死ぬ理由が分かりませんでした。強いて言えば、クライマックスシーンで黄色い光に包まれて駆け抜けていきますがその時点ですでに消滅していた(死んでいた)とすることが出来なくもないのですがすると周りの犬とか鹿だけ生きてるのは何で?ってことになるし。原作ではどうなってるんでしょうか。
医療、という意味では割と珍しい話かも。
この作品では病気に対して医療で立ち向かうお医者さんが出てきます。弓矢で戦う程度の文明かと思いきやこのお医者さんの医療器具はなかなか近代的。発想も近代的。
そもそも例の病気ですが、あれは僕が見ても呪いか何かだと思います。ジブリ作品『もののけ姫』のドロドロか!みたいな。これを「病だ」と考える事が出来るのはすごいですね。そして、バンさんの血から血清?的な薬を作り出すことに成功します。草がポイントだったのね。鹿の乳かと思った。
この先生みたいに色々考えてきた人々の歴史が医療を発展させてきたんですね。
この感じだと将来的には呪いの類について、やり方等きっかけにあたる部分ははともかく症状については医療で抑え込むことが可能になっていくのかもしれません。
そしてよく分からなかったのが、国。
奴隷として働かせる程度に支配関係がはっきりしているのは最初の方で何となくわかったんですが、支配している側の国の様子がほとんど分かりませんでした。栄えてそうな気はしますが、実際どうなんでしょう?その国の中でも支配者層だけが優雅に暮らして・・・ってパターンは実際あるようなのでそれならそうと言わざるを得ませんが、みんな裕福なんでしょう。
で、どうなったの?結局支配されている側の国が革命を失敗しました、って話でしょう。革命はうまくいかないよっていうことを言いたい話なのか?うーん、こればかりは全く謎でした。原作読むともっと物語に入り込めるんではないかと思われます。あ、もしかしたらナウシカみたいにこの映画は原作の一部だけなのかも。
最後に。
話題作だったと思うので、という紹介になりましたが、個人的にはやや消化不良でした。原作読まないとだめかもしれません。映画だけでチャチャッとというのには不向きな作品でした。スケールの大きさと絵のきれいさは感じたので余計に残念。この作品は時間のある方向けの作品かなあ、という印象です。
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