読書以外感想文 大怪獣のあとしまつ : 風刺、を感じました。

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 今年もよろしくお願いします。

 新年の幕開けはこちら。例によってアマゾンプライムなら見放題対象になってますがリンクが見つからなかったのでリンクはブルーレイを貼っておきます。いつも通りネタバレ注意、ではありますが、いつもとは違う意味のネタバレ注意、かな?では行きましょう。

ネタバレの『ネタ』の意味が違う。

 これ、観ればわかりますが、怪獣はまあ、メインですが、テーマというか内容は怪獣云々ではなく、これまでの政治のパロディーというか、『風刺』ですね。これ見たことあるよとか聞いたことあるよっていうのがふんだんに盛り込まれ、さらに言ってしまえばそれをちくちくいじっています。

 また、政治の決定の状況がよく出てきますが、これがまた、こんな感じで政治って決まってるの?と思ってしまうくらいグダグダだし、マスコミの質問もまた馬鹿馬鹿しくて、政治関係者もう少し頑張れよ、と言っているように思います。結構強烈です、そういう意味でね。もしかしたら消されてしまうかもしれません。興味がある人は早めに観ておいた方が良いです、きっと。

 ただ、このパロディに重きを置くと、これ、モデル誰?っていうのが楽しくなってくるという、何とも矛盾を抱えた怪作、というか快作というか。

主人公を含め、メインの登場人物が道徳的にどうかな~

 主人公の山田涼介君、土屋太鳳ちゃん、濱田岳君ともみんな不倫でどうなの?これ?って感じです。不要な気もするし、またまたがっかりな感じだし。続編あるらしいし後々響いてくるのかな?これだけで評価するならいらない設定だったなぁ。

 大臣の動き方等では勉強になることもある一方で、決まりきった事しかやらないのね、っていうがっかりも感じたり。本当に見えないものが見えた感じ。実際の内閣がこんなでないことを願ってやみません。もう、他人事なんです。安全なところで話を決めてるとこうなっちゃうんですかね。対策本部は最前線に置いて欲しいです。まさか必死で対策練るでしょ?

政治史を中心とした現代の日本の『イメージ』再現ですね。

 1番がどうとか2番がどうだとか、ってのもあったし、福島原発の爆発も思い出すしで、パロディが猛毒吐いてます。外国(主に半島のあの国)のイメージもそうね、そんな感じってなってました。某親分国もそんな感じでした。ここら辺はうまい。誰のせいにするだの額縁掲げて名前を発表するだのあたりさわりのないにおいの表現にするだの、どうでもいい事がたくさん出てきます。汗水垂らして働いたお金から税金払っている側はそういうの多分気にしない。働いていない、やることもない、無駄な時間を過ごしているような人々がせめてもの、って自尊心キープのためにこういうのにあれこれ意見しているだけなんじゃないかと思います。

 終盤では当初毒性はないとされていたガスについての見解ががひっくり返るあたり、今後の日本が少し心配になります。でもみんな何となく感じてますよね、安全っていうのは嘘かも知れないって。こういうのこそきちんと掘り下げて報道して欲しいものなんですが・・・はい、ここまで。現代は兵器以上に情報の方が強いらしいです。まさにペンは剣より強し。

新聞の存在を見直しました。

 今回これ観て思ったのが新聞。ネットニュース等により、新聞が無くても欲しいニュースが分かるようになったし、っていうか、素早く情報にアクセスできるようになったし、興味あるものだけを思う存分掘り下げられるようになりました。これは確かにいいことなんですが、新聞の良さに新たに気が付きました。

 まず、今回の題名にも付けましたが、風刺画。これ、新聞独特だったかもしれません。必ずあったもんね。これがあると政治をうまくおちょくるというか、本質的な問題点をうまく表現しているのが分かるというか、必要なんだと思いました。ネットで今日のニュースの風刺画を検索する人なんてほとんどいないでしょうし、そもそもあるか分からないし。

 あとは地方にしかないかな?お悔やみ欄。これもネットニュースでは拾えない情報ですよね、多分。新聞ならではの強みだと思います。

 ついでに天声人語に代表される、あれは何だ?社説というかコラムというか。これも風刺画同様、出されてるから読む感じのもので検索はしないかな、と。こういうのもありがたいものなんだと思いました。

 そしてああ、と思ったのですが、新聞って、毎日決まったページ数で構成されているじゃないですか?このことって実は大事じゃないかと思ったのです。その日のニュースを量的にとらえることが出来る。意図的に文量を調節されてしまうという懸念は確かにありますが、自分の興味とは別のところでの出来事に対して反応できるようになるため、やはりある程度与えられる情報というのも無駄ではないんだと思いました。

情報の正確さ、というかバランスについて。

 この映画の話からは少し脱線しますが、ペンは剣よりも強しといえば、ってことで少し時事ネタの話を。ウクライナとロシアの戦争については情報操作が相当行われているらしいです。しかも双方。日本にいるとロシアだけがそういうことをやっているように思っている人が多いでしょうけど、実はウクライナもやってたみたい。情報操作はもはや戦術なんですね。もはや悪とかは言えなくなった感じです。また、報道もそういうわけでいじられているため、真実を他者からの情報によって得るのは大変難しいようです。戦時下にあっては報道の中立性なんてあったもんじゃないってこと。勝つためには色々やっちゃうよ、ってこと。これは太平洋戦争を勉強する日本人ならよく分かりますよね、GHQよ、ただではやられんぞ。・・・はい、ここまで。

 っていうか、戦争に限らず報道なんて立場によって変わってしまうってことです。報道局だって存続していかなきゃならないわけで、そのためには立場によった報道になってしまう。仮に存続云々を無視して事実を正確に報道したとして、するとスポンサーはつかなくなるかもしれない、あるいはそういう人々を敵に回すかもしれないその対策のコストも負担しなくてはならない。真に中立な報道局を作ることは不可能に近いかもしれません。では受信料でカバーすれば、っていうのは結局スポンサーと同じだし、だったら税金で~なんてとんでもない。税金をもとにした報道なんて国に都合の悪いこと放送できなくなりますもん。

 というわけで、正確な情報はやはり自分で直接ふれて手に入れる以外ないかもしれません。とするならば、現実的にはバランスの取れた情報をどう得るか、ってことになるでしょうか。今回の戦争みたいに対立してるものの場合はその両方の情報を一緒に得るとかでバランスとれそうですが、対立構造でないものの場合は難しい。僕では分かりません。情報って難しいね。何が真実か分からないし、ウクライナがNATO加盟を希望したのに蹴られたっていうのも少し分かってきた気がします。

まとめ

 とにかく、本作を怪獣ものだと思わないこと。本作品はいうなれば政治コメディです。それも結構毒づいてます(毒が問題になっているだけに)から、政治家に近い人には怒られそうですが、そうでない人にとっては痛快かもしれません。ただ、そういう作品だから政治的に消されるかもしれません。繰り返しになりますが興味がある人はお早めにどうぞ。

 そして最後に。結局ああいう終わり方するなら山田君よ、最初から片付けてほしかった。あ、でもそしたら楽しい風刺タイムはなくなっちゃったのか。ということはそのために最後まで残しておいたのね。さすが。

 ではまた。

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