はい、こんにちは。今日のネタはこちら。おおっ、と思った方もいるかもしれません。今更かよ、と思った方もいるかもしれません。ずばり、ニートの方が書いた、ニートのマニュアルです。ですがどうして、結構深く潜る本で、最終的には哲学に行ってしまいます。あ、でも哲学そのものとしては軽めなのでこれがまたちょうどいい塩梅なのです。では行きましょう。
いきなり注意点。結婚する前に読むべき本です。
そうなんです。結局ニート万歳みたいになるわけですから、親と同居の方はさておき、結婚や出産、住宅ローン等の重い大切なものをたくさん抱えてからこの本を読むのは少し注意が必要かもしれません。
はっきり言ってしまえば「いまさら言うなよー」的な後悔が生まれてしまうかもしれないからです。でも、そういう人、待って!結婚って、出産って、住宅ローンって、そんな軽い気持ちで背負うもんじゃないでしょう?あの気持ちを思い出して!!・・・とまあ、それくらいインパクトがあります、多分。生き方の裏技みたいな、レールの上を歩く人生をはずれた生き方を見事に解説してくれてますからね。それにしてもレールの人生か。レールの上も大変。はずれても大変。生きる事って大変ですね。
将来のことをあまり考え過ぎない、というのは実は結構聞く話です。
にわかには信じられませんが、特に最近読む本とかで出てくるし、話でも聞きますね。本当にそうなの?将来のことを考えない、というよりは、将来を心配する余裕があったら現在をもっと濃いものにしろ、みたいな感じで、質量保存の法則はしっかり成立しているのですが、これが難しい。特に仕事は難しい。
いわゆる『ゾーン体験』でこれを達成することになるそうなのですが、難しいよね。確かに説明を受ければうんうんなるほどって思いますよ。テレビゲームだと思って、攻略法でも考えながら攻めの姿勢でやってみようとか、僕も頑張ってやってはみますが、世の中自分一人じゃないので必ずしも没頭し続けられるわけでもない。
でも頑張りますよ。邪魔が入ったとしてもまたリセットしてやってみる。それ自体はできるようになってきました。でもね、時間なんだ。どうしても時間が足りないんです。ここまでやって、中断して、別の事やって、また戻ってきて続きをやって、また中断して、ってなると、どうしても『思いだす』作業が必要になる段階が来てしまう。それに時間を割かれる。そして、別件はそもそも予定に入れておかない限り本来の時間を持っていかれてしまう。
では、それを踏まえて本来の仕事量を減らしたら、会社の上司はそれを許してくれるかって言うと、多分許してくれませんよね。そもそもの業務量だっておそらくそつなくこなしても勤務時間内に終わらない量のはず。だから『平均残業時間』なんてのが普通にある。異常でしょ。法律もそれを認めてしまってもう何もかもおかしい。何のためも労働時間なんだ、って感じです。
そんな感じでゾーンに入ったところで無理ゲーな社会生活です。そこにこの本が与えるインパクトは大きい。この作者の人は結局のところ成功しているし、得意なことを活かすこともできているため一般の人にはイメージくらいしか伝わりませんが、みんながこれやったとしたら、それでも社会はある程度回りそうだし、少子化はおろか、未婚率がバーンとあがりそうな、思想的にやばい本だと思いました。これ読んで独身でやっていこうと決意する人、いると思います。
将来のこと。
ただし、将来についてはやっぱり弱いんですよ。「ないかもしれないんだから」という、この手の本ではおなじみの展開をしてくれるのではありますが、それって昔風に、というか僕ら世代だと「ノストラダムスの予言で1999年で人類滅亡なので~」って遊んでられたか?ってことで、遊んではいられませんでしたよね?もし滅亡しなかったら、っていうか、むしろそっちが大勢でしたから、ちょっと心配しつつも人類史は相変わらず続いていく未来を信じていたし、そうなったわけだし。もうちょい後だとマヤ暦なんかも騒がれましたね、2012年。
だからこの本を真に受けても結構なので、だとしても将来の備えはしておいた方が良いですよ。自給自足にせよ不労所得にせよ、この本で書いてあるほど楽観的な未来ではないはず。なぜか?昔想像していたほど楽観的な未来ですか?今日。そういう感じだから。この本も将来についての部分は押しが弱いし、準備についてもそれとなく書いてますから。結局未来は分からないけど来るんです。
未来のために。
未来は来ます。どんなにつらくても生きてる人には明日が来るんです。今日を楽しめは結構なことですが、将来の分の余力は常に残しておくべきだと僕は考えます。作者的にも、その他の論者的にもここはある程度共通してるんじゃないでしょうか。ただ、彼等的には「未来は今ほど確定していないんだから頑張りようがない、コスパが悪い」と言いたいようです。余力は少しで良いようです。なるほどね。1分先の未来なら検討が付くけど1年先となるともうわからないでしょ?だからか~と思いました?・・・いや、違うんだな。
彼らは1分先も1年先も同じと考えています。自分がコントロールできるのは現在までなんだって。だから今を頑張れば良いんだと。なるほどね。ふむふむね。でも、将来の展開を予想してビジネスの計画立てたりするよね、あれ、思い付きくらいのエネルギー量なのかな?
つまるところ、かっこいいこと言ってはいますが、将来が保証されていないから、がんばってる今を褒めてーって言っているんだ、と僕は思っています。未来のために今を適当にしてていいとは言ってませんが、彼等は言うほど現在に全力投球もしていないのではないでしょうか。でも、現在に対する集中力はやっぱり言うだけのもの、くらいはあると思います。
そもそもですが、僕の持論ですが『人は未来にしか行くことが出来ない』んです。目の前の現実をこなせって言ってもこなすのはほんの少しだけですが、『未来』でしょ。現在を頑張ってるってことは結局未来に向かってると思うんです。いかがでしょうか。
『完全自殺マニュアル』へのオマージュと言っていますが。
ここまで読んでくれればそれとなく伝わるかと思いますが、この本を都合よく解釈してニート生活をしているとおそらく死にますよ。確かにオマージュだわ。だからうらやましがりつつもしっかり自分の芯を持って生きていきましょう。
結婚する前にこういう生き方をしばらく楽しんでみるのもいいし、結婚した後にこの一部をやってみるのもいい。堅苦しく生きていくことだけが素晴らしいわけではない、っていうのが伝わればいいと思います。が、のめり込んではいけない。止めなくてはならない。
最後に哲学的なことを書いて、作者自身もストッパーを用意したつもりなのか、言い訳にするつもりなのか、そこら辺の真意は僕にはわかりませんが、しっかり読むとおそらく生き死にについて考えてしまうのではないでしょうか。そこまでして生きる意味とは何だろうか、もっと寝そべってしまおうか、みたいな。
僕はやっぱりあがく、もがくことが生きることなんだと信じたい。
程度の差はあります。でも、なんとか面白おかしくこの苦境を乗り越えてやりたい、力づくで逆境をはねのけてやりたい、そういうのが根底にあっての生であって欲しいなと思います。もちろんこれでは生きることが辛すぎるので必ずご褒美は欲しい。しかもちょいちょい欲しい。生きていたいなーと思える程度にちょいちょい欲しい。
そううまくはいかないんですけどね。死にたくないから生きる、のはつまらないので「明日はどこに行こうかなー」的なノリで、遠足の前の日みたいな気持ちで出社できるサラリーマンがいいなぁ。サラリーマンじゃなくてもいいけど。
なんかニートよりもニートになってきた気がします。
そもそもだ。求人票に残業あり、って明記するくらいなら人を雇えばいいでしょう。何で雇えないのかというと、年功序列な給与体系続けてたり正社員とアルバイトに差をつけすぎたりするからでしょう。良い社員に残って欲しいからこれらの給与体系を採用っていうのは分かるんですが、残業は納得いかないのよ、本当に。
働き方についてですが、
おうおう、ニートの本で働き方改革語っちゃいますが、やっぱり全員時給が良いと思うんです。ついでについでに週休3日。世界経済に逆行する形にはなりますが、もう、逆行しちゃおう。で、もう1回1970年代、80年代やっちゃおう。デフレ起こして更に全員時給にして差も小さくして総中流社会を復活させて外貨を呼び込めないかなー。品質はすでに結構いいと思うので。バブルはその時起きるのか?人々は何に期待を込めるのか?・・・こういうのに使うエネルギーを現在に使えって本でしたね。反省。・・・今の『反省』分かります?『反省だけならサルでもできる』っていうのがあってね・・・。
まとめ
ダークソウルの時にニートに頼ろうみたいなことを書きましたが、ここまでパワフルなニートまでいたとは、って感じの本でした。やっぱりニートっていうのはそういうライフスタイルなわけでいわゆるだと落ちこぼれてるんですが、能力的にダメっていうんじゃないんですよ。十分戦える。
むしろまっとうに生活してる人の一部よりはよっぽど生き生きしてるようですし、悪くもないんじゃないでしょうか。ただし、ハベルの指輪(結婚指輪w)がないので重いものを背負うことはできません。
などとくだらないことを書きながらも興味深い本でした。おすすめです。
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