明けましておめでとうございます。今年は解決すると良いですね、コロナ。
さて、今日は前回書いた『風の谷の谷のナウシカ』の、今度は原作の感想文でも書いておきましょう。前回のびっくり『マスクの大切さ』はこっちの方が伝わるのでしょうけど、最後まで読むともう衝撃でマスクなんかどうでもよくなってしまうかもしれません。では行きましょう。
映画とは設定が色々違います。
まずこれですね。原作は映画の2巻あたりまで、っていうのは割と知られているかもしれませんが、それだけではなくて、設定が色々違います。巨神兵は最後のころまで出てこないし、クシャナには腕がついてるし、「その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」ってあれはババ様じゃなくそもそも映画に出てこないおじいちゃんが言ってるし、って結構違いますから。映画はそれとして、よく似た別の話を読む感じで設定を受け入れてもらえると良いかと思います。
マスクはこっちの方が重要。
話が長いからでしょうか。マスクの重要性は原作の方が上かと思います。色々なマスクが出てきます。とりあえずこれくらいマスクが普及して、毒性も強ければデザインなんかどうでもいいんですね。みんなつけてるし全体的にいかつい。ではそろそろネタバレ含めて感想文行きます。
実は人間はただの人間ではなかった。
読んでない人、ごめんなさい。いきなり衝撃的な話からです。そう、原作ではナウシカたちは人間の姿ですが1000年くらい前の火の7日間の後で手を加えられた改造人間だったのです。ナウシカの姿でよかった。ナウシカが某ライダーみたいになっちゃったら、ね。
このあたり、オカルトが好きな人だとピンとくるものがあるかもしれません。そう、オカルトの中の『神様論』とでも言いましょうか、神様についてのネタがあって、ま、その中では神様は宇宙人、ってことになってますが、そんな感じ。(。´・ω・)ん?神様は宇宙人で地球人はその実験生物なんだ、っていうのがあるんですよ。
話をナウシカに戻すと、神様という抽象的なイメージではなく、物凄い文明を持ってた昔の人がナウシカたちの先祖を改造してたってことだそうです。
映画の最初の方でナウシカが腐海で胞子を思いっきり浴びてから風の谷に帰って、同じく腐海から来たユパ様を迎え入れて何でもなく暮らしてるくせに、飛行機墜落後はものすごく慎重に胞子探ししてて、あれれ?って思いませんでした?原作ではナウシカが腐海から帰ってきた後は消毒をしてる描写があったから納得できるんですが、胞子まみれの服着てたらすぐに腐海になるでしょうし、胞子吸い込んで周りの人死んじゃうんじゃないの?って疑問があったんですが、多少毒に耐性があったようです。
っていうか、ナウシカたちはきれいな空気では死んでしまうらしいです。へ?
つまり何が起きていたのかというと。
順序立てて書いていきますね。
① 昔(というものの、これは僕らの文明がずっと発展した未来、とイメージすると良いかもしれません)、文明は発展し(以下、『旧文明』)、おおよそ何でもできる感じになっていましたが、そういう時代でも戦争はあった。環境汚染もあった。ついでに、新しい病気もどんどん出てきてた。「こんな時だからこそ」ってナウシカを放送した人々はこれを知ってたんですね、きっと。でもこれ、映画流してもだめじゃん。原作読んで初めてわかる事実ですから。
② で、旧文明は何でも作れるので神様を作りました。それが巨神兵。だから原作では巨神兵は『裁くもの』なんて自己紹介したのです(原作では巨神兵はしゃべるんです。更にナウシカの養子)。で、巨神兵に『今の世界を何とかしたいんですが』とかなんとか言ったんでしょうね。あるいはナウシカと巨神兵の関係のように主人が命じれば、で「世界を滅ぼしといて」みたいに言ったのかもしれません。そんなこんなで世界が滅びました。これが火の7日間です。
③ ただ、滅ぼしっぱなしというわけではなく、またきれいな地球でやり直そうという目的はあり、膨大な知恵や文化を『シュナ』に保管していました。旧文明の人も『墓所』というところに避難して不老ではないけど不死でずっと地球がきれいになるのを待っていたのでした。きれいな地球でやり直そうという考えはエヴァンゲリオンとか逆襲のシャアでも似たようなことを考えているようです。割とみなさん考えるテーマなんですね。
④ きれいな地球にするための浄化装置?と掃除当番?が腐海と王蟲。これもなんと旧文明が作ったのもだったんです。そして、腐海が行きつくところまで行く(腐海の寿命とでも言いましょうか、森もいつかは死ぬらしいのですが、そういう状態)と、そこはきれいな土地になるんだそうです。
⑤ ついでに言うと、作品の世界は人間に限らず割と何でもかんでも旧文明により作られています。動物も植物も。ユパ様が乗ってる鳥も昔は馬だったとか。すごい進化だなって思っていたのですが、なになに改造されていたのでした。
⑥ ナウシカたちの改造人類は、まあそれなりに暮らしつつ、どういう役割なんでしょうね?旧文明に『神様ー、腐海なくなりました。復活のお時間でーす。』なんてお知らせの役割なんですかね?それとも絶滅したらそれが浄化完了の合図ってことなんでしょうか。まあとにかくそういうわけでナウシカの時代になり、物語が展開されています、ってことです。
ナウシカは旧文明に逆らいます。
はい、そういうことね。命は闇の中の光だとか言って旧文明を滅ぼします。うん、感動も何もありません。当たり前に生存競争ですね。戦争ですね。理由はなんであれ、旧文明が勝つか改造人間が勝つかみたいな終わりです。これはもののけ姫に似てるなあ、って思いました。いや、ナウシカ全編をまとめたものとしてもののけ姫があるんだ、と勝手に思っております。
だからどうなったかというと、基本方針としてさらに未来のいつの日か腐海が完全になくなると改造人類は絶滅することになりました。旧文明の人類はナウシカに滅ぼされたから、つまり、その日人類は絶滅するのです。多分他の動植物も絶滅します。太古の状態に戻った地球だけが残るのです。
でもそれも地球の歴史、みたいな考え方なら本当の意味で元に戻ったってことになって、まあいいんじゃない?また三葉虫だ恐竜だってとこからってことですもんね。なんか腐海って病気の時に飲む抗生物質みたい。『ふかい』だけに。
それでもまだわからないことがあって。
原作の巨神兵って、体から光を出してて、それを大量に浴びると死んじゃうらしい。はっきり書かれてはいないものの放射能っぽいですね。とするならば、宮崎監督的には原爆は神様的な絶対的な存在だったってことなのかしら。それともそこまで作れるようになってしまった人類はいよいよ旧文明になって地球を滅ぼすステージになったよ、っていうお知らせなのでしょうか。
新年早々重い話でごめんなさいね。ではまた。
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