こんにちは。今日は珍しいコンセプトで書いてみます。
僕の感想文では時々『いきなり見ても訳が分かりません』という旨のものが出てくることがあります。ガンダムとかですね。予備知識なしで観ても作品の良さどころか何の話なのかもよく分からない、っていう作品が映画にはあります。アニメだとよくありますね。おそらくは商業的な理由なんでしょうけど、今日は悪い意味でそれに乗っかった形になります。
タイトルは超有名。傑作と名高い作品です。
という割に、観てないんだよね。いや、本当にもったいなかったんじゃないかと、本作を見て思いました。絵柄よりもかなり硬くてとんがった話じゃないかな?という感じ。例によってプライムビデオだったんですが、見放題がもうすぐ終了、っていうので観てみました。
ちなみに超有名作品のためある程度は知ってますので、僕の前提を書いておきます。
1.魔法を使う少女の話。
2.まみる
3.猫が黒幕
4.マギカってドンキのプリペイドカードの仲間か?
こんな感じです。では行きましょう。元々の本編を観ないで結論だけ追いかけようとするとこうなるよ、という悪い見本だと思ってね。
あちらを立てればこちらが立たずみたいになってないか?
魔法少女というのがナイトメアというのをやっつけつつ精神衛生を保つ話なのでしょうか?という感じで始まっていきます。で、多分本編では自己犠牲的に世界を救った主人公をこう、if的に助け出そう、みたいな話で作ってるんだと思います。劇中、「悪い夢を見たんだけど、実はそっちが現実でこっちが夢なんだよね」という旨の、何とも胡蝶の夢みたいなセリフが出てきたり、嘘の世界そのものを作り上げて~なんてのが出てきますが、これ、タイムトラベル並みに落としどころが難しいネタで、有名作品でこれやるの?って感じでした。この後他の人のレビューとか見てみようと思いますが、良い評価つけずらいよね、多分。
このマトリョーシカみたいな『実は』のかぶせ方は、1回きりにしておかないとどうしても作者の都合で終わらせる感じが出てしまって良くないと思います。玉ねぎじゃないけど剥いて剝いて・・・ってやってくうちに空っぽになりかねないし、そもそもの、当初あった結論が無意味になってしまうと思うんですよ。
今作でもそれ、感じました。ちょっとかぶせすぎたんじゃないかな?とはいえ本編を知らない人間の偏った感想ですからね。コアなファンのみなさんは「これだから初心者は・・・」という、温かく突き放したところで読んでいただけると幸いです。
多分本編で仮の平和が戻りましたがそれには尊い犠牲があって、でもそれを知ってるのはたった一人の少女だけで、っていう切ない感じがあったんじゃないかと推測されますが、それを無理にハッピーエンドにしようとして、こじらせた結果悲劇の少女は悪役になって、今度は自らが犠牲になる、という終わりになった、しかもそれを見せてはいけないやつに見せてしまった、という、バッドエンドAがバッドエンドBになっただけの話のように見受けられました。ラストの解釈そのものは合ってますか?そういうわけで多分本編にあったと思われる、私だけが真実を知っていて、思い出すたびに胸が苦しくなるという少女の切なさはなくなってしまったのでした。
それよりもそのラスト、なんで猫がボロ雑巾になっていたのかの方が僕は気になりました。リンチしたんでしょうか。よく分からないけどボロボロだった。でも結局観測は出来てしまったわけで。そういう意味では途中で止めておいた方が良かったんですよ、きっと。悪役になる件は不要だった気がしました。もっともあそこで、欲張るのは良くないよ、と表現したかったというのなら良いのですが。
絵柄以上に科学的な話なのかマジか。魔法の話。
おう、おやじのダジャレだ。『マギカ』って本当は意味があるんでしょうね。勉強不足ですみません。
しつこいんですが、絵柄、だったんですよ。どうにも。絵柄で敬遠してたんですが、観てみると結構哲学的というか、科学的というか、クールな話ですよね、多分。熱くなって観るというよりは、ふむふむと観る部類なのではないかと思います。観測だ干渉だって、科学の話でしょ?ドラえもんといいこいつといい、なんだ最近の猫は。頭良すぎだろ。僕はサインコサインタンジェントあたりで記号が書けなくなってきてるぞ。そういえば、科学っぽい話の時によく出てくる分数式にくっついた細長い『S』って何ていうんだっけ。あれ、頭よさそうですよね。って猫以下だ。
そういうわけできっと本編は多分世界を書き換える系の話で、もう魔法じゃなくていいと思います。魔法少女ってフレーズを世に広めた気はしますが、スケールは魔法を超えてると思います。
あ、そういえば、最近のアニメで思ったんですが、近頃では魔法って数式みたいに解釈されてるんですね。詠唱が短縮されて~とか、びっくりしました。っていうか、そもそもが確かに長い。『ちちんぷいぷい』だったんだぞ、原始の魔法は。『ちんからほい』とか『開けゴマ』とか『バルス』とか。
僕の、というか、僕らの世代の魔法は、もうそういうジャンルでそれ以上説明不要なものでしたが、現在の数式的なものに対比させて例えるならおそらく、悪魔との契約に基づく超パワー発動の『合言葉』的なものになるかと思います。数学が出来なくても良かったの、昔は。でもその代わりに簡単な割にクーリングオフのできない重い契約をするわけで、それはそれで悩みの種だったんだよね。契約の重さは現代のそれとは段違いですよ、お若いの。
絵柄だ。とにかく絵柄だ。
不思議でしたが、ストーリーに合ってない絵柄がかえって話題を呼んでいたのかもしれませんね。そして、いわゆるキャラクターの絵とは別のモブ?の絵や敵の絵もこれはこれで別作品みたいに絵本の絵みたいな絵でまた違うんですよ。不思議。ストーリーとキャラとその他がバラバラなのにちゃんとつながってるの。これは本当にすごいですね、よくまとめました。そういう意味でも傑作なんでしょう。誰にでも作れる映像ではないです。書いてて思ったんですが、きれいなお姉さん系のキャラクターだと確かにバランスが取れなかったかも。ほんわか系のデザインだからこそ実現できたバランスだったのかもしれません。
最後に。
劇中おや?と思われるものが度々出てきてたので書いときます。それが『糸巻』っていうのかな、あれ。本編では何か意味のあるアイテムだったんでしょうか?理由は内緒ですが、とても気になりました。スタッフに僕の知り合いでもいたかな?って感じ。気のせいか。
そんなこんなで本編を観ずに最終章?を観るのはあまり良くないよ、という感想文でした。書けるには書けるんだぜ、ふふん、ってだけです。浅くなってしまいました。
終わってみると本編を観たくなる作品でしたね。そういう意味では当たりだったかな?絵柄よりも重い話になってるのは間違いないと思いますので、まだ観てない人、観てみると良いと思います。
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