読書感想文:私訳 歎異抄 『親鸞』作者の訳です。

読書感想文
スポンサーリンク

 こんにちは。今年も師走になりました。今年のうちにやっておきたかったことは出来ましたか?今ならまだ何かできるかもしれません。心残りのある人はやっておくと来年をすっきりした気持ちで迎えられると思います。状況にもよるでしょう、諦めることもあるかもしれません。そういうことは大みそかは忘れましょう。そうすると来年をすっきりした気持ちで迎えられると思います。

 さて、今日は久々読書感想文。しかも歎異抄。無人島に持っていくなら、の歎異抄。生きてるうちに読んでおきたい、の歎異抄です。では行きましょう。

初心者がいきなり読むにはハードルが高い。

 良いことが書いてある、というわけではなく、っていうと怒られますね、多分。物事のとらえ方について、おそらく今までのみなさんと違うとらえ方になるでしょうから、そういう意味で心が広くなる、とか、感動する、とかになるんだと思いますが、いかんせん、初心者がいきなり読むのは難しいかも。

 以前書きましたが、僕はたまたま「善人なおもて往生をとぐ~」について引っかかっていた、というか、こんな感じの疑問みたいなのを持っていたため割とすんなり入りましたが、はっきり言ってしまうと、世の中に対していわゆる「うがった」見方の人の方が分かりやすい話です。

 本文の、というか、親鸞聖人の教えでは素直になれ、素直になれ、みたいなのを要求している感じがありますが、その割にいわゆる素直な人だと受け入れがたいメッセージ、な気がするんですよね。最終的には素直に信じることにはなるんですが、その過程は回りくどいというか、直線的には進めない気がします。

 ・・・読書感想文ですからね、信者の方、怒らないでくださいね。

 裏の裏だから表なんだ、的な発想で、というと少し伝わるでしょうか?この方の表を知るには裏を知らないとたどり着かない感じです。というか、裏から入っていくと良いのかもしれません。

五木寛之さんは『親鸞』の作者です。

 ですね。『親鸞』を読んでからこちらに来ると、書き方の関係か、何となく慣れ親しんだ感じで読むことが出来た気がします。時間さえあればこの順で読むといいかなー。でも長いからなー。あ、年末年始だ。チャンスだ。わざとらしいですね。そんな感じ。

 実際僕も迷ったんですよ、『歎異抄をひらく』かこちらか。でも、こちらにしました。そして良かったと思います。あちらを読んでいないのでどちらが良いか、みたいなのは分かりませんが、こちらで十分よく分かりましたし、むしろこちらだったから分かった部分もあったと思います。

 もっとも、全てわかったなんて思ってませんよ。五木さん自身まだわからない、って書いてるくらいですから、それを読んでいるうちはまだ、五木さんを追い越せない気がします。でも、原文もついていまして、それを見ながらまた五木訳を読んでって、古文の授業みたいに読んでいくともしかしたら、五木さんが文法等に基づいて訳した部分に何かを発見できるかもしれません。

哲学的か、言い訳がましいかは人生経験が影響する?

 人によっては言い訳がましく思えるかもしれません。でも一方で疑問に思っていたことに対する答えを得たような気がした僕は割とすんなり受け入れられたし、この本に共感する人が割と高齢な方だというあたりから考えると、ここに書いてある考えにそれまでぶつかったことがあるのか、がとても影響するように思います。

 宗教だからそうなんでしょうけど、そもそも何かの理由で困った、とか救いを求めて、とかで始まると思うんですね。家がそもそも信者で、なんて人は、それに疑問を持って、って時になるんでしょうか?自分が能動的に動いているとおそらく受け入れやすい気がします。

 逆に何かを信じ切っていて、とか、まったく悩んでいない、救いを求めていない、みたいな、現状の自分でバチっと決まっている状態でこの本を読むと、何ともはっきりしない、何とでも取れるような、みたいに思うかもしれません。

 読むときは、内容を理解したいときは、心を柔軟に、リラックスしておくと良いのかな?

この本の素晴らしいところは、その教えではなく、臨場感だと思います。

 教えではなく、って書いてしまうとまた怒られそうですが、だめ、なんて言ってませんからね。僕自身は次は教行信証か選択本願念仏集か、って思ってるくらいですから。って言っても読みにくそうだし、一般人はここまでか、なんて思ったりもしています。

 さて、そういうわけで臨場感。作者の五木さんの力も大きいかとは思いますが、親鸞聖人がやり取りするのがとてもリアルに感じます。僕はここがすごいと思います。

 今更構成的な部分の紹介となりますが、歎異抄は経典そのものではなく、そういう内容について、師匠は昔、こんな風に話していたんです、っていう、お弟子さんによる回顧録となっております。量も実は少ない。当然です。教えのすべてが収まっているわけではないので。

 で話を戻して、これが実に生々しい。『親鸞』のノリをそのまま持ってきてくれてるような感じで、本当に会話を聞いているような感じで読めました。

 偉いお坊さんって、こんな風に話すんだ、っていうのが感じられたのが新鮮でした。お坊さんの話し方は確かに今まで考えたことがなかったもんな。

 その何とも人間臭い、というか、どこにでもいる人が話すみたいに話す様子がとても良かったです。

一度は読みたい、は本当です。

 内容を受け入れられるかは人による部分が多いのですが、昔の人がこんな感じで話していたんだな、っていうのがすごく良い本です。人生に迷っていなくても読んでおいて損はないと思える本です。とりあえずすぐ読み終わるし。ただ、多少時間をかけてでもじっくり読んだ方が良い本ですね。文章の量の割に内容は濃いと思います。

コメント

スポンサーリンク
テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました