はい、こんにちは。今日ご紹介するのはこちら。結構だらだらと読んでいたのですが、よく言えば味わって読んだんだ、とこう解釈したいところですね。分類は自己啓発の仲間ということになりますが。さて、行きましょうか。
ちょっと違った切り口かもしれません。
大体は、と言っていいのかな?仕事でうまくいかない、とか人間関係がうまくいかない、みたいな、対外的にうまくいかないことからスタートするというかこれがうまくいかないのはね、という切り口が多いのではないかと思うのですが、本作はそのタイプと違い、自分の中にちょっとひっかかるものがあって・・・というような内から問題を感じるタイプの人向けの、これまたちょっと変わったところからのアプローチとなっております。
思考することが自分を苦しめる。
これ、強烈ですが賛成します。そうなんだよね。考えることって往々にして防衛につながりがちです。それってつまりピンチを想像してるわけじゃないですか。起こるかどうかわからないのに。みんなが楽しい旅行の計画で盛り上がっているのに自分は行き先で起こるかもしれない世界大戦に備えているようなもんで、そりゃみんなと同じようには楽しめない。考えればそれなりにエネルギー使いますから疲れる。自分はますます防衛的なことを考えなくてはいけなくなる、疲れたことを加味して軌道修正ね。・・・の永遠ループ。これ、苦しいでしょ。
暗い未来を勝手に想像して・・・っていうのもそうなんですが、考えるってそもそも疲れるんです。
そしてここから今日の感想文、暴走が始まるよ。
暴走前に本の話、まとめておきましょう。
あ、暴走前に本についての感想を書いておきましょう。この本の良いところは自分の中の思考する癖をやめましょうという旨で論が展開するところ。周りは変えられないから自分を変えましょう、系ではありますが、内省を促したり、ありのままを肯定しようというおなじみのパターンとは少し違っていて、そんなみなさん、気が付いたら考えすぎていませんか?それ、やめましょう。という切り口でアプローチします。これ、今から突っ込んでいきますがDMN(デフォルトモードネットワーク)が強いっていうらしいんですが、そんな傾向の人にグサッときます。今までの本で悪くないけど刺さらなかった人のうちに、今回はハマった!って人がいると思いますので、そういうアプローチの違いを学びましょう、っていうところをお勧めしておきます。
さて暴走開始。
ただし、外国語を日本語訳しているせいもあり、またおそらく校正にそれほど力を入れていない、さっと作ったんだと思うのですが、文章に深みはなく、解説そのものは適当です。例えば本文中で「考えは名詞。思考は動作です」という旨の文章が出てくるんですが、大間違いですよね。考えも思考も名詞です。このレベルです。「赤ちゃんは生まれた時から不安やストレスを感じていますか?」さてどうでしょう?こんな論の展開です。言わんとしていることはわかりますが、解説がずさんすぎる。
ところが、今回この本が刺さる人はおそらく読み取りの能力が高いので、こんな適当な文章であれニュアンスを正確に受け取れます。作者さん、訳者さんとしてはラッキーですね。微妙な言い回しが非常に重要なジャンルでこの表現力ではありますが、読む側の超人的な読解力に救われるという。
そして、テーマがそういう超人的に考えまくる人のためものなので支持も得られるという。需要と供給が変な形でかみ合った奇跡の1冊となっております。
思考を捨てろ、以外はほぼありきたり。
なのに、この思考を捨てろのおかげでたどり着く場所が変わってくる不思議な本です。DMNが強めの人には多分光輝いた、ここをずっと探していたんだよ的なゴールに見えると思います。それほどまでにこういう人は考えまくる、ってことなんですね。とにかく考えまくるから、そこに触れるだけで大きな刺激になる。作者さんは本当に儲けもんです。一生懸命に研究していると、こういうクリーンヒットのご褒美に巡り合えるんですね。まさしく成功体験です。悪口じゃないよ。今まで頑張ってきたご褒美です。幸運の女神、つかんだね。
落ち着いて読んでみると、思考を捨てろ以外はほんと、どこかで見たよというもの。特に目新しさを感じません。なんなら、最後に実行しましょうのプランが出てくるんですが、別の自分を変えよう系と何ら変わりがありません。前半のあの『目からうろこ』感を返して。
これってつまり、自分を変えよう、なわけですよ、総括するとね。違うのは思考を捨てろを経由している点。これくらい。でもそれでこんなにも目新しい本になるのだから、なんだかんだ言って今までの本がこのタイプの人をいかに見落としていたか。そして、いかなるパターンでも自分を変える具体的なワークは同じになってしまう不思議。いや、ここはあえて毒を吐いて、作者さんにはここも頑張ってほしかったところです。前半がとてもよかった分後半のがっかり感が大きいです。
DMNが強い人。
僕、どうやら強いらしいです。ただよくわからないんですよね。自分には普通だし、世の中には先を読んで備えておこうなんて考え方、当たり前にありふれてるじゃないですか。みんなそうじゃないの?って思っていたんですが、そうじゃないんですって。へー。嘘だよ。みんな要領よくやってるじゃないの?って思ったみなさん、実は嘘じゃないみたいです。単に我々が考えている時間に要領よく見える方々はアクションを起こしているだけらしいです。我々の先を行く先読みをしているわけではなく、単に考える時間をリアクションにあてているだけらしいです。我々が考えにのめりこみすぎていてそれを見落としている、ってのが現実らしいです。
そして逆に周りに我々みたいな感じの人がいるみなさん、彼らは多分真面目に考え込んでいるんです。そしてそれは一見くよくよしているように見えるかもしれません。実際くよくよしていることもありますが、ほとんどの場合はくよくよでなく推敲、もしくは深いシミュレーション中です。ほぼほぼ癖ですから悪気があるわけではないです。何か注意を受けた後等にこういう反応が見られることが多いでしょうが、それは見かけほどマイナス感情はなく、真剣に、でもみなさん的には不要な深さで思考しているだけだと思います。本気でものすごく真面目に、状況を改善する方法を考えているの。この本をお勧めしつつ、「そこまで考えなくていいらしいよ」と言ってあげてください。それが彼らの救いになるのではないか、と僕は思います。
また本人サイドに戻りましょう。DMNが強い人は、練習として、考えが深堀を始めたら時間を区切るといいらしいですよ。で、消化不良でもそこで思考をやめる。オーソドックスですがやっぱりこれらしい。思いついたものはメモなどに吐き出しておいて、後で、でもそれでも時間かけすぎないで考える、を繰り返して、深すぎる思考に陥らないようにするんですと。
もちろん、深い思考を否定はしません。それ自体は才能で、その深さこそが重要な場面も多々あることでしょう。みなさん、そして僕らの問題は、この思考の暴走を制御できないことなんですって。思考をコントロールできれば、不必要な消耗を避けられるし、必要な場面で深い思考を発揮したりと、思考を武器として扱えるらしい。練習しながら試してみませんか。僕はやってみてますが、なかなかうまくいかず、投げやり、適当、雑、といった評価を受けたりもします。でも仕方ないじゃん、ってこのマインドが重要ですって。完璧にしなくていいし、ボロが出てもいいんですって。いわゆる普通のみなさんってそんなもんらしいですよ。ぼろを出してフォローを入れるんですって。打たせて取る野球をしてるみたいな感じ。ピッチャー一人が頑張らないスタイルをめざせ、らしいです。
自分とは何かを考える
この手の本に答えを求めていくと、結局自分はどれか一つに当てはまるわけではなく、あんな特徴こんな特徴を併せ持っている、ということに気が付きます。これは多かれ少なかれ誰でもそう。もちろん同じ確率の話なのでどれかパターンがぴったり当てはまる人もいるのでしょうけれど、混ざっているのがほとんどのはずです。
思考が深い人はこれを一つに決めつけようとするから辛いんです。まとめようとしなくていいんです。無理に定義づけしようとしてもできないこともあるし、対策だって小さな例外でどんどん変わってしまうから、完璧な準備なんてむしろ必要ないと考えた方が良い。思考が深いならそもそも結構な準備になってるから、それ以上やらなくていい、対策後の対応に力を残しましょう。
そんなことを考え始めると、自分って実にあやふやな人間だと気が付きます。真面目にやってきたと思うんですが、それをここでやめることに何というかサンクコストみたいな後ろめたさを感じるかもしれません。ただ、悩んでいるなら、勇気をもってあやふやになってみてもいいと思います。そんな自分をまず、自分が受け入れてあげましょう。完璧な自分しか受け入れられないと、そのうち周りにも完璧を求めるようになって、人間関係ぎすぎすしだしますよ。
あなたにとって自分とは何でしょうか。いろいろご意見あると思いますが、どう思ったとしても、それを最初に認めてあげるのはあなたですよ。あなたが認めてあげないと、自分は動き出せません。
読書感想文を通して、似たものとして僕からみなさんへ。どうぞ自分とは何者か考えてください。2分くらいで良いかな?そうしたら次。考えがまとまってもまとまらなくてもいい。その自分を無条件で「それでいい、それが自分」と再定義してください。僕はこれで少し気が楽になりました。
最後に。
この本はそういうわけで『思考を捨てる』の一点にのみ価値を感じられれば十分です。後半のワークなんか、こういう本初めてでなければ別に気にしなくていいとさえ言っちゃいます。前半も表現自体はあれですが、この本が対象としている人なら多分読み取れます。
この本が刺さらなかったら、『こういうのが刺さる人もいるのね』で良いと思います。切り口が珍しいのですがそれが故、人を選ぶのかもしれません。個人的にはタイトル見て何か引っかかるものを感じたなら一読してみてはいかがかな?と思います。

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